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「今日はあまり飲めない」にどう返す?無理に勧めず満足度を保つバー・スナックの接客

約7分

「今日はあまり飲めないんです」と言われたときは、注文を増やす提案より先に、“飲まない・少なく飲む選択が歓迎される店だ”と伝えることが大切です。お酒を飲めない理由を深掘りする必要はありません。量、度数、飲む速さ、会話の過ごし方をお客様自身が選べるようにすると、気まずさを減らし、長く信頼される接客につながります。

バーでノンアルコールや少量の飲み物を穏やかに提案するイメージ

結論:「飲めない理由」を聞かず、選べる提案を短く返す

お客様が飲酒量を控えたいと言ったとき、理由は体調、服薬、翌日の予定、運転、妊娠・授乳、体質などさまざまです。スタッフが理由を推測したり、説明を求めたりする必要はありません。

最初の返答は、「もちろんです。ソフトドリンクでも、薄めでも大丈夫ですよ」のように、受け入れる言葉を先に置きます。その後で、選択肢を2つか3つだけ示すと、お客様が決めやすくなります。

厚生労働省も、飲酒量や飲酒行動は個々の状況に応じて判断することを目的としたガイドラインを公表しています。店舗側は量を競わせず、お客様が自分のペースを選びやすい環境を整える姿勢が大切です。

  • 理由を尋ねず、まず「大丈夫です」と受け止める
  • 提案は多すぎないよう、2〜3択にする
  • 飲酒しない選択を、特別扱いではなく通常の選択肢として扱う

すぐ使える返し方:売り込みに聞こえない3つの文例

返し方は、店の雰囲気に合わせて整えておくと、スタッフごとの差が小さくなります。ポイントは、「飲まないなら何もしない」という空気を作らず、飲み物以外も含めて居心地を選べるようにすることです。

少量を希望するお客様には、「では、いつもの一杯を軽めにしますか。それともノンアルにしますか」と聞きます。アルコールを避けたいお客様には、「お茶、炭酸、ノンアルのご用意があります。お好きなものにしましょう」と案内します。

会話を楽しみに来ている様子なら、「飲み物はゆっくりで大丈夫です。おつまみだけでもどうぞ」と伝える方法もあります。ただし、おつまみを必ず注文してもらう前提の言い方にはせず、店の価格・チャージ体系を分かりやすく案内してください。

  • 少量希望:『軽めにしますか、ノンアルにしますか』
  • 飲酒を避けたい場合:『お茶・炭酸・ノンアルからお選びいただけます』
  • 会話中心の場合:『飲み物はゆっくりで大丈夫です』
お客様の希望最初の返し方次の選択肢
今日は少量だけもちろんです。軽めで大丈夫ですよ薄め・少量・ノンアル
アルコールを避けたいお酒なしでも歓迎ですお茶・炭酸・ノンアル
会話を楽しみたい飲み物はゆっくりで大丈夫です水・軽食・会話中心

「一杯だけでも大丈夫」が伝わるメニューと店内表示を作る

スタッフが丁寧に案内しても、メニューがアルコール中心で、ノンアルの価格や内容が分からなければ、お客様は頼みづらさを感じます。ノンアルコール飲料、ソフトドリンク、炭酸水、お茶などを、見つけやすい位置に載せましょう。

大切なのは、ノンアルの選択肢を“仕方なく置くもの”にしないことです。グラス、氷、レモン、香りなど、店らしい提供方法を工夫すれば、飲酒しないお客様にも一杯を楽しむ体験をつくれます。

ボトルキープのお客様にも、ボトルを開けるかどうかを確認する習慣を持ちましょう。前回残ったボトルがあるからといって、必ず飲む前提で出すのではなく、「今日はボトルにしますか、それとも別のものにしますか」と選べるようにします。

  • ノンアル・ソフトドリンクをメニュー内で見つけやすくする
  • 量や度数を控えたいお客様向けに、炭酸・水割り・低アルコールの選択肢を用意する
  • キープボトルは自動で出さず、その日の希望を確認する

避けたい対応:冗談でも「飲まないの?」と圧をかけない

「今日は付き合いが悪いね」「一杯だけ」「せっかく来たのに」といった言葉は、軽い冗談のつもりでも、お客様が断りにくくなることがあります。飲めない理由を話したくない人にとっては、再来店しづらさにもつながります。

現在飲酒していない人や飲めない人に飲酒を強要しないことの重要性は、厚生労働省の情報でも示されています。接客の場では、スタッフだけでなく、常連客からの勧めが強くなりそうな場面にも気を配りましょう。

スタッフが間に入り、「お好きなペースで大丈夫ですよ。お水もお持ちしますね」と自然に言えば、場の空気を壊さずに選択を守れます。店全体で使う定型句を決めておくと、新人スタッフも対応しやすくなります。

  • 飲酒量を競わせる言葉や、断りにくい誘い方をしない
  • お客様同士の飲酒の勧めが強くなったら、スタッフが自然に選択肢を出す
  • 『お好きなペースで大丈夫です』を共通の接客フレーズにする

運転の可能性があるときは、提供前に確認して選択肢を変える

車、バイク、自転車などで来店している可能性がある場合は、飲酒を勧める前に帰宅方法を確認します。確認は詮索ではなく、「お帰りはお車ですか。代行やタクシーの手配もできます」と、利用できる選択肢を添えて行うと自然です。

警察庁は、飲酒運転について運転者だけでなく、酒類を提供した者にも罰則があり得ることを案内しています。店舗としては、運転の予定があるお客様にはアルコールを提供しないという基本方針をスタッフ間で統一する必要があります。

代行、タクシー、公共交通の終電時刻などを、スタッフが確認できる場所にまとめておくと、断るだけで終わらない接客になります。ただし、終電や代行の状況は変わるため、その日の情報を確認して案内しましょう。

  • 運転の可能性があるときは、飲酒前に帰宅方法を確認する
  • 運転予定のお客様には、ノンアル・ソフトドリンクへ自然に案内する
  • 代行・タクシーなどの案内手順をスタッフ間で共有する

売上を「飲酒量だけ」で見ない:また来たいと思える関係を残す

少量しか飲まないお客様への接客で大切なのは、その日の客単価だけを判断基準にしないことです。無理に飲ませない、ボトルを勝手に開けない、帰宅の判断を尊重する。こうした積み重ねが、お客様にとって安心して使える店という印象になります。

接客後に残すべき記録も、センシティブになりすぎない範囲に限ります。たとえば「ノンアル可」「炭酸水を選ぶことがある」「薄めを好む」といった、次回の提案に必要な好みだけを、本人に見られても問題のない表現で残します。病気や服薬などの事情を推測して記録する必要はありません。

お酒を飲む人だけが楽しめる店ではなく、飲む量を自分で決められる店にすることは、接客の幅を広げます。スタッフ間で月に一度、断りにくい言い回しがなかったか、ノンアルの提案ができたかを振り返るだけでも、接客の質を整えやすくなります。

  • 再来店につながる安心感も、接客の重要な価値として見る
  • 顧客メモは、次回の提案に必要な好みだけを簡潔に残す
  • 飲酒を促さない接客ができた事例を、スタッフ間で共有する

参考情報

記事作成時に確認した、公的機関・メーカー等の公開情報です。

  1. 健康に配慮した飲酒に関するガイドラインについて厚生労働省

    個々の状況に応じた適切な飲酒量・飲酒行動の判断に資するガイドラインの公表目的を確認するために参照。

  2. アルコールと循環器疾患健康日本21アクション支援システム(厚生労働省)

    飲めない人や現在飲酒していない人に無理に飲酒させないことの重要性を確認するために参照。

  3. みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」警察庁

    飲酒運転と、酒類を提供した者に関する罰則・注意事項を確認するために参照。

  4. AlcoholWorld Health Organization

    飲酒のリスクは量、頻度、健康状態、年齢、性別、飲酒状況など複数の要因に左右されるという公的な健康情報として参照。