バーの酒の発注点を決める方法|欠品と過剰在庫を減らす見直し手順
バーの発注を『残り一本になったら』だけで決めると、よく出る銘柄は納品前に欠品し、動きの遅い銘柄は棚を圧迫しやすくなります。発注点は、一定期間の使用量、注文してから届くまでの日数、連休やイベント、最低発注単位を組み合わせて決めるのが基本です。この記事では、複雑な需要予測を使わず、小規模店舗でも毎月見直せる発注ルールを整理します。

結論:使用量と納品日数から仮の発注点を置く
最初から完璧な数字を求めず、直近4週間の使用量を営業日数で割り、一日あたりの平均使用量を出します。これに発注から納品までの日数を掛け、予備として安全在庫を加えた数量を仮の発注点にします。中小企業基盤整備機構の解説でも、発注点はシミュレーションを重ねて段階的に設定する必要があるとされています。
- 一日平均使用量を確認する
- 発注から納品までの日数を把握する
- 連休・欠品に備える予備を加える
- まず一か月試して見直す
- STEP 1使用量を集計営業日ごとの消費を確認
- STEP 2納品日数を確認発注から入荷までを記録
- STEP 3安全在庫を置く繁忙・遅延分を仮設定
- STEP 4試して見直す欠品と余りを毎月確認
販売用・共用酒・キープボトルを分けて集計する
同じ銘柄でも、未開栓の販売在庫、開栓中の共用酒、顧客名義のキープボトルでは役割が違います。キープボトルを発注可能在庫に含めると、棚にはあるのに販売できない状態が起こります。発注判断に使う本数と、預かりボトルの本数を区分し、共用酒は残量方式を統一して使用量へ反映します。
- 未開栓の販売在庫
- 開栓中の共用酒
- 顧客名義のキープボトル
- 破損・返品・確認待ち
よく出る酒と動かない酒で確認頻度を変える
すべての銘柄を毎日細かく数える必要はありません。J-Net21が在庫管理で示すように、在庫場所を整理し、入出荷を継続して記録する土台を作ったうえで、よく出る定番酒は営業日ごと、動きの遅い酒は週次や棚卸し時に確認します。確認頻度を分けると、重要な欠品予兆へ集中できます。
- 定番酒は営業日ごとに残数を見る
- 季節酒はイベント前に確認する
- 低回転酒は週次で十分か見直す
- 保管場所を固定して数えやすくする
納品日数・最低ロット・休業日を発注表へ入れる
仕入先ごとに納期、最低発注数量、配送曜日、休業日が異なります。J-Net21の仕入れ解説でも、発注から納品までのリードタイムを考慮し、必要な時期と量を予測する重要性が示されています。銘柄ごとの在庫数だけでなく、発注期限と次回納品可能日を発注表へ持たせると判断しやすくなります。
- 通常時の納品日数
- 曜日締め・休業日
- 最低発注本数・ケース単位
- 代替銘柄と第二仕入先
イベントと予約は平均使用量へそのまま混ぜない
周年、団体予約、貸切などの特別需要を通常月の平均へそのまま混ぜると、翌月の発注点が過大になりやすくなります。通常営業の平均とイベント用の追加数を分け、予約内容が確定した時点で加算します。逆に長期休業や閑散期は、通常の発注点を機械的に使わず、営業日数に合わせて調整します。
- 通常営業の平均を基準にする
- 確定予約分は別枠で加える
- 連休前後の納品可否を確認する
- 季節終了後は発注点を戻す
月末に欠品・余り・緊急発注を振り返る
発注点の正しさは、在庫数だけでは判断できません。欠品した銘柄、緊急発注した回数、余ったケース、納品遅延を月末に振り返ります。国税庁の案内にあるように、事業の帳簿や棚卸資産に関する記録は税務上の記帳とも関係します。この記事の発注表は実務改善用の例であり、税務上必要な帳簿や保存方法は店舗の状況に応じて専門家へ確認してください。
- 欠品した日と原因
- 緊急発注の回数
- 月末の余剰本数
- 発注点を変えた理由
参考情報
記事作成時に確認した、公的機関・メーカー等の公開情報です。
- 現場での在庫管理の方法と、適正な在庫量の考え方について教えてください。(J-Net21(中小企業基盤整備機構))
在庫場所、入出荷記録、適正在庫を継続的に見直す考え方の確認
- 利益最大化と円滑な業務プロセスを支える発注仕入管理システム(中小企業基盤整備機構)
発注点をシミュレーションしながら段階的に設定する注意点の確認
- 小売業の仕入ポイント(J-Net21(中小企業基盤整備機構))
リードタイムを踏まえて必要な時期と量を計画する考え方の確認
- 個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について(国税庁)
事業の記帳・帳簿保存と棚卸資産に関する一般的な案内の確認